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■暇人私的 渓にまつわるモノローグ
 
第二話 ザック

源流釣行の装備品では、数少ない命!に関わるモノとして上げられるザック。何が命だ!大袈裟だと言う貴方にもこんな
経験は無いだろうか? その① 長時間ザックを担いで肩が鬱血して痺れた事が多々ある。その② ヤブ漕ぎや傍道を通る際に枝に何度と無く引っかかる。その③ 高巻きやヘツリの時にバランスを崩した事がある。などなど、些細なことが命に関わる前触れの象徴なのかもしれない。

さて、前置きはこれぐらいにして、私のザックとエピソードを紹介したい。良き道具は一生モノとよく言うけれど、私のザックも中学時代から使っている1980年代の銘クライマー・イボン・シュイナード(現パタゴニア会長)が設計したクロスター・シュイナード社のアルティマ・ツーリィ・サテラと言う70ℓの大型ザック。真っ赤なザックにトレードマークのドラゴンが妙にカッコ良くて体外の源流釣行にはこのザックを使っている。背中に入った軽合金製のフレームが年月を経るにつれて私色に形成されている。30Kを越す荷物だってパッキング次第で何とかなるし、高巻きヘツリも体にフィットして全然ブレ知らずの優等生。

暇人釣行では、みんな秀山荘のザックやらカリマーの最新鋭のフレームザックを背負っているけど、全然羨ましいと思った事は無い?いや欲しいけど貧乏人にはザツクに10万円は出せないのが本音かな? 暇人のみんなには、色々ザックの知識を教わった。ほとんど自己流の私は、パッキングなんて言葉は無縁で、上が重い奴に中パッパなんて具合で、酷い時にはテン場に着いたら寝袋が濡れて眠れない夜も数多く過ごした。ザックの底には水抜き穴で、防水袋に最小限のものをパッキングしてザックに詰め込むテクニックは、源流の師匠黒ちゃんに全部教わった。今考えると古参の受け売りか?なんて笑っちゃうけど、当時はスゲェ~クライマーに見えたものだ。

時には暇人のメンバーが崖から滑落しそうになった時にもザックを掴んで危機一髪なんて事や、疲れた帰り道にラッコだぞ~なんてハシャギながらザックの浮力で楽に帰路に着いた楽しい思い出が沢山詰まった私のザック。そんな愛着たっぷりのザックにも、最大の危機が訪れている。イボン・シュイナードがパタゴニアを設立して暫し時が経ち、当時のシュイナードドラゴンザックが超希少価値が上がり、偶に出回る同機種ザックに何十万という破格値が着いているのが悩みの種。「ザックよ、俺に可愛いいお姉ちゃん遊びをさせておくれ」・・・・なんてね!

写真は、パタゴニアの前身でもあるクロスター・シュイナード・ドラゴン社 アルティマ・ツーリィー・サテラ。隣の小さい方は、テン場に着いてから行動を取るためのサブザック兼、アタックザックでタウチェ・ディパック。どちらも現在は生産中止で1970年代後半から80年にかけて日本で見られたザック。







記:市村