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■2011/8/11〜14

秋山郷魚野川完全遡行

鈴木(一)、金田、田中、松井(記)


“テンカラは今回もダメだった”

昨年と同じく今年もまた秋山郷は2度目の釣行である。6月に初釣行で訪れたときには増水と地震で思うような釣果が得られず不完全燃焼の釣行であったが超大物?を初めてゲットして気を良くし 再度の挑戦を試みた。しかも今回は切明から志賀高原までの魚野川完全遡行である。

  

 8月10日pm1:00車を志賀高原にデポするために暑い東京を後にした。草津を通り超涼しい渋峠でゆっくり昼寝をしながら時間を過ごす。pm7:00金田さんと湯田中で待ち合わせ夕食を取り東舘山ゴンドラの駐車場にて仮眠を取る。

 8月11日am2:00切明に向けて出発・早朝の霧の中を約1時間でいつもの駐車場に着いた。鈴木さん田中さんと他の車が1-2台止まっている。am4:00まだまだ暗い中を歩きだす。涼しいうちに坂を登り切ろうとの思いからであるが鈴木氏寝不足と体調不良でかなり調子が悪そう・・何度も嗚咽を繰り返しながらも坂を登り平行道を進む am8:00渋沢ダムに到着、心配していた水量も大丈夫のようだ。千沢のテンバにはすでに一組のテントが張られていた。今日のテンバは黒沢の出会い、先は長い。金田さんのデポしてあった食料装備を荷物に加えて早々に出発。最初の高巻きの途中で千沢テンバ泊の先客に出くわした。この先の看板あたりまで行ってきたとのこと 釣果は小型だがまあまあ釣れたとの言葉に胸が躍る。

高沢出合い少し手前から餌竿を出し釣り始めるがいっこうに掛らない昨年原田さんとテンバを取り散々釣りまくったポイントも一匹も釣れない。高沢テンバ下にてどうにか最初の一匹をゲット 7寸サイズしかしその後はあたりが無い。

大ゼンの滝下にて竿を出していると後ろから 別のパーティーが追いついてきた。テンバの割り振りをし彼らはダイゼン滝上にてテンバを取るとのことで黒沢まで竿を出すのをあきらめ先を急ぐ。

pm2:30黒沢出会いナマリ岩のすぐそばのテンバに到着。金田さん持参のポットラックを張り大量の巻きを集め釣りに出かける。私は田中さんと黒沢に金田氏は本流にと動き出す。黒沢 昨年は超爆釣の思い出のある場所。期待に胸がはずむ 早速テンカラ竿を出しトライするが 一投目ですぐに後ろの木に引っ掛かけてしまい毛バリをなくす。取り替えている間に田中氏は渓流竿にチョウチンのテンカラ仕掛けにて釣りまくっている。のこり時間は1時間あせって餌竿に切り替え釣りを開始するが小物ばかりが2-3匹は釣れた。田中氏は器用に毛ばりを流し7-8匹以上は掛けていた。しかしどれもが7-8寸どまりの小物ばかり、4:00テンバに戻り着替えていると金田氏が大物を数匹ぶら下げて戻って来た。

さすが!!我々が釣った魚が異常に小さく見えた。鈴木氏の料理と岩魚の刺身やてんぷら 盛大な焚火とで楽しいひと時を過ごしたが初日の疲れと寝不足で皆さん早々に床に就いたようだ。

8月12日 今日の予定は庄九朗ゼン上流 巨岩帯までとのことで早朝7:00の出発となる。それにしても昨日テンバのポットラックは快適であった。温かく虫も来ない、出入りは楽だし中は意外と広い。皆さん充分に熟睡したようだ。魚止めゼンまでは竿を出さずひたすら歩く。私は途中こけてしまい 右ひざを負傷してしまった。かなり痛かったがどうしょうもない。我慢して進むのみである。途中大岩魚が潜んでいそうな釜のなかを写真で取ってみるが魚の影は見当たらなかった。

 7:52分魚ドメゼンに到着 美しい幅広の滝である。ここは左を直登、ちょっと怖いのでザイルを出してもらい何とかクリアした。さあここからが魚野川の天国、綺麗なナメと滝・釜の連続 早速竿をだしてみる。テンカラに挑戦・しかし私にはいっこうに掛らない、金田氏と鈴木氏は適度にかかっていたみたいだが・・・?なぜ?どうして? 毛ばりを何度かかえてみるが効果は無し。しばらく挑戦していたが結局一つもかからないまま奥ゼン沢出会いについてしまった。

鈴木氏が見かねて私に餌釣りで奥ゼン沢に入るように勧めてくれた。足が痛くどうしようかと迷ったが 今日はここまで釣れていないし時間も早いしで1人中に入る。奥ゼンは水量も少なく魚いるのかな?なんて疑りながらもポイントに竿を出す。いきなり8寸チョイの岩魚がヒット。胸が高鳴った。本日初の一匹目をゲット。出会いから150m、ナメ滝の下に適度な釜が出てきた。餌釣りには最適ポイント。静かに餌を投入すると突然大きなあたり 大物の感 かなり重い 道糸ハリスともあまり太仕掛けでは無いので切れることを恐れ慎重に慎重に泳がすがかなりの手ごたえ、大物の感充分、しばらくすると魚が水面に顔を出した、大きい重い・私の餌仕掛けはいつもチョウチン仕掛けで道糸は3m弱これでは重くてとても抜けない。流れに乗せ下流まで引き寄せ何とか浅瀬に引きずりあげた。丸々太った良型の尺岩魚である。

その後も同じ場所で3-4匹釣れたが結局この岩魚が今回の釣行での一番の大物であった。本流に戻ると少し上流のワサビ田でワサビを取り昼食を取っていた。今夜の刺身はこの岩魚とワサビで決まりだな・なんて1人だけ気をよくしていた。昼食後適度に竿をだしながら前に進む。庄九朗沢出会いのあと巨岩群入り口までの間もテンカラに再度挑戦したがここでも金田氏にはヒットするのに私には皆無?投げ方が悪いのか?毛ばりが悪いのか?いい加減毛ばり釣りはいやになってくる。でも今日は大物を一つ掛けているからいいか!と自分に言い聞かしながらも本当は悔しい思いでいっぱいである。

しかし金田さんは上手い! 狭いポイントにも器用にちゃんと打ち込んでいる。しかも毛ばりが自然と水面に落ちて自然に流れる。私はというと針より先に糸が水面をたたいたり見当違いの所に落ちたりで・・・要するに腕が悪いのである。自慢ではないが今までに一つも毛ばりで掛けた記憶が無い。巨岩群石滝群の中を進み今日のテンバを探す。この巨岩群の中にテンバになるようなところはあるのだろうかと皆必死に探すがなかなかよいところが見つからない。少し高台の草むらに平地を発見し木を切り草を刈ったら何とか泊まれるくらいのテンバが出来た。ここでも金田さん持参のポットラックを使用ロープを張り上からポットラックを吊るすと快適な居住空間が出来た。

周りはかなり湿っているにも関わらず中は全然気にならない。私はかなりこれが気にいった。今日も食事は鈴木氏が全て作ってくれた。ありがたいそしてとても美味しい。焚火は盛大 料理は上手い酒も進む。私はというとテンバを探し薪を探している間はまだ良かったが少し休んでいると膝が猛烈に痛くなってきて周りがかなり腫れて熱を持っている。動くのもままならない。明日はどうなるのだろうかと真剣に考えながらも田中氏鈴木氏に薬をもらって焚火の前で一歩も動かずにこの贅沢な時間 空間を満喫していた。

8月13日 今日も一番に目が覚めた。私は寝るのも一番だが起きるのもいつも一番である。歳のせいであろうか?今日も天気は快晴 気持ちのよい朝である。足の痛みは昨日に比べずーとよくなっている。これなら何とかいけそうだ。ゆっくり朝食を食べて今日は9:00出発 巨岩群を1時間ほどで抜け川の様相も源流らしくなってくる。空が広く浅瀬が続く稜線が見えるようになってきた。

金田氏は相変わらずチョイチョイ釣れている。私もラインをメタルに変えて再度テンカラに挑戦・しかしここでも一つも掛けることが出来なかった。

南沢合流まで後わずかな所で昼食・鈴木氏がそうめんを作ってくれた。空は青く空気はさわやか綺麗な滝のそばで食べたこのそうめんはとても美味しかった。南沢は 浅瀬が続く細い支流、昨日の奥ゼン沢の体験を夢見て1人奥に進むが餌釣りのポイントになる場所が無く早々に諦め引き返す。この辺りから雲行きが怪しくなる。今にも雨が降ってきそうな雲行き。そして川はますます狭くなりボサが多くなる。テンバを探して歩くが適当なところが無い・昔はこの先に広川原があったとの言葉に期待を込めてテンバを探すがなかなかでてこない。川幅はますます狭くなり両岸は草藪竹やぶ やっと見つけたのが水線から20cmほど上がった小さな砂場・増水したらすぐ水びたしになりそうな場所だがここしかないとの皆の意見一致でここに決定。

川の水流を変え地面をならしどうにか4人が寝られる位のスペースは出来たがここは狭すぎてポットラックは張れない。タープを張り薪を集め食事の準備をしていると雨が降り出した。皆不安のまま言葉少なくいる。タープの下で酢豚ならぬ酢岩魚?を作ってくれた。もちろん鈴木シェフこれも美味しかった。一時土砂降りの様相になるがすぐに小ぶりになり雨は止んだ。金田氏作の焚火はあの雨でも消えないでいた。皆さんの沢泊のノウハウに関心することばかりである。今夜が沢泊の最後食材・酒あるもの全て飲み尽くそう食べつくそうと皆さん盛り上がる。夜9:00近くの水たまりを見ると岩魚が3-4匹静かに泳いでいる 明りを照らしても逃げない。手づかみですぐ捕れそう!7-8寸位の魚もいる。岩魚が増水を感じて逃げ込んで来たんだとか眠りに来たんだとかいろいろ意見が出たが人が動いているすぐそばで悠々と泳ぐ岩魚を見たのは初めてである。これも源流泊ならではの恩恵か? この日は流星群が来るという日だったそうだがそれを見ることは出来なかった。しかし夜中2:00頃にはタープの脇から見事に輝く大きな星を見ることが出来た。

8月14日 最後の日 恐怖の竹やぶ漕ぎが待っている。8:15分出発 テンバから1時間・水量が極端に減ってきた。両側から竹が覆いかぶさっている。腰をかがめ竹を振り分け 時には匍匐前進にて前に進む。最後の水を取り竹やぶに突入 ここからは踏み後も無い 背丈以上の根曲がり竹をかき分け竹が混み過ぎていて足が地面につかない、格闘すること3-40分 稜線の平らな部分に出るが登山道が無い?方向間違えたのか?、GPSで確認を取りながら平坦地を進むが10分ほどでやっと登山道にでた。10:15分魚野川完全遡行達成の瞬間である。皆さん全身ごみだらけ泥だらけ!しかしとても気分爽快・皆充実感で満ち溢れていた。こからは東舘山ゴンドラに向けて登山道を登る。寺小屋峰まではちょっときつい登りである、ゆっくり休み休み歩くこと1時間、頂上分岐につく ここからは下り 寺小屋スキー場に出る草原のお花畑 ここで昼食を取りゴンドラまで後少し12時30分東舘山ゴンドラ駅に到着。デポしてある車で切り明にむかい赤沢温泉で汗を流し解散をした。

今回の釣行で足を怪我をしてしまい皆さまに大変ご心配とご迷惑をおかけしました。いろいろ教えてくださった金田さん田中さん全行程の食事を作ってくださった鈴木さん、本当にありがとうございました。また一つ楽しい思い出が増えました。魚野川遡行、私にはテンカラ竿にての釣果が得られなかったのは残念でしたが沢のいろいろな場面があり、魚が沢山いて とてもきれいな沢です。またいつか行きたいと思います。

もっともっとテンカラの練習を重ねて・・・! 

 



 

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