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■2011/7/15〜16

大底川釣行

新発田(記)


7月15日(晴れ)

ずっと以前より行ってみたい沢のひとつだった。

地図や資料によると入渓地点は、杉川に沿って右岸登山道(杣道)を辿り、ほぼ大底川出合付近で、今は猿以外渡れない崩れた吊り橋下あたりからと判断する。

ひと月前に下見も行なっていた。大底川右岸と左岸には杣道があったらしいが、左岸の路がかすかに分かる程度で、私の場合、30分も歩くと解らなくなった。したがって今回は吊り橋下から(8:15)川通しで開始した。

(吊り橋から上・下流の様子)

字のごとく、深い大底(オオソコ)に降りてしまったと感じる。

[・・・記載により二通りあるが、私も「逢塞川」より「大底川」がこの沢を言い当てている様に思う・・・]

早々、大きなの淵にイワナが悠々と泳いでいる。おもに左岸のヘツリ多用で遡行始める。水量の割にはゴルジュがとても発達していて。そびえ立つ岩壁の高さは中杉川以上かもしれない。遠方は曲がりくねって見通せず日陰の岩底では不安を憶える。水はそれほど冷たくもなく浸かって進むようになる。行くほどにイワナは目にしなくなり、竿をたたんでしまう。

30mの長い淵が現れ対処するに時間をとられる。

空身で泳ぎ、岩に座らせたザックをロープで引っ張り回収。

最初の滝らしい滝(3m)が現われる。さいわい右側が滑り台状で、その上は樋(とい)状になっていて楽に越えられた。

10時頃、順調に右岸より赤花沢に出合う。

その後もゴルジュが続き1mCSの滝や、砂地の釜や淵が多くイワナにとって生活するには不利なのかも知れない。ぶざまに全身から水の垂れるまま前進すると、暗い岩のスクリーン奥に滝が垣間見える。手前の壁は右岸を回り込むと滝の手前に出られる。2m位の滝で、滝壺を右岸に泳ぎと判断する。左岸の落ち口には流木が掛かっているが私には登れない。

釣りはほとんどやってないのに時間をくってしまう。初見の沢は油断禁物だ。もう滝はないかと思っていると、今まで一番りっぱで滝らしい滝(8m)に出くわす。もう・・・「またか!」とうんざり疲れてしまう。でも滝壷が広いので、思い立ってルアーを準備し投げて見る(テンカラに馴れ切った私にはルアーは面倒臭く閉口する)。尺イワナが二度追いかけてきたが掛からなかった。竿を仕舞い、滝の右壁をノーザイルで越えられと思ったのだが、途中で蝉になってしまう。ザックを岩に引っ掛け空身で降りようとするが降りられない。腕がパンパンになりそうで、岩を蹴って飛び降りた。全身水中に潜る(一瞬メガネ!メガネと思う)。ケガもせず大丈夫だった。ともかく、少し戻って右岸をよじ登り滝上に立てた。そして上からザックを吊り上げた。

岩宿沢に着いたのは15時半だった。テン場がある筈だが見あたらない。5分ほど先まで行くとそれらしき場所があり、なにより冷たい水が出ていた。何が何でもビールを冷やす。ところで、疲れと安堵で何もしたくない。

単独の多かった以前は自立小型テントを使用していた。今回はタープだった。気のきくキツネや狸も出て来ない。タープ張りの一人作業は面倒この上ない。焚き火も必須作業と点火、炊飯もした。間もなく火は消えてしまう。独り酒がこのうえなく旨い。新玉葱をスライスした上に鯖の水煮缶を開け醤油を掛けて食べた。こぼした玉葱に蟻が数匹たかる。

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7月16日(晴れ)

寒くもなくシラフカバーでぐっすり眠れた。

テン場をそのままに、竿を持って出掛ける。歩き出しでイワナが走る。渓相はしばらく瀬がつづいたが水量が少ない。右からハンダン沢、左側から岩宿沢が出合う。

(左が岩宿沢、右が本流)

すぐ川幅が狭まり1mの滝と淵になる。落ちこみにブナ虫を流すとググッーと感触があったものの、ついに餌釣りでもダメだった。

昨日も今日もなにも釣っていなかった「まあ、いいか・・・諦めも肝心」と帰ることにする。

メジロの発生前で・・・久々に気持ちよい沢登りをあじわえた。



 

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