'03/7/23(火)〜25(金) | 全日本暇人協会 |
下田 香津矢(L) 新発田 悟(記) 黒田 幸男 齋藤 健郎 |
梅雨明けは遅いようだ。霧のかかる曇り空、我々は田子倉ダム湖より渡し船で「白戸入り」した。日程は7月23、24、25日である。私は雨がジトジト続 くなら嫌なメジロ虻の発生前だろうし、けっこう魚も活発に「食い」に来る気がした。心配は連日降り続いた雨の増水であり梅雨末期の大雨である。さあ、どこ まで進めるのだろう?! 午前5時、文次沢あたりに到着。右岸ゼンマイ道は明瞭で、1時間もしない内にボロボロで傾いた大塚小屋が笹薮の中、ブナの樹の下に立ちあらわれた。 このところ補修もされていないらしくトタン板は散らばり、部分的にブルーのシートが被っている。(どうだろう・・?)緊急時ならともかく、外でタ−プの ほうが良さそうだ。ここで休憩後、道はまだ拾える「抱返りの滝」が見えるあたりからそそり立つ岩場をくり抜いた道となる。それから崖道を抜けたと思った ら、「チクチク痛い」野アザミも多いが・・でかくなったウドの大木が・・ どうでもいいけど草ボウボウなのである。登山道として到底国土庁?は認めてくれそうにない、これはゼンマイ道なのだ。 上なのか真直ぐなのか下なのか?第二大塚小屋まで続くはずの道も早々分かりにくくなってきた。 「下だ、下だ」と河原歩きがマシに思えてくる(ものだ!)。 ここではじめて4人は本流に転がり下りるようにドタドタ降り立った。振り向くと樹の枝だに赤い布きれ、まんざら我々のナビも正常らしい。もしやと思い赤い布を真近にみると平仮名で「ろうまん」とあった。(なぜロマンではないのだろう?/*!) つべこべ考えずに、少し濁りのある、やや増水気味の本流遡行の始まりである。 まもなく滝といえば滝、それともゴルジュのような・・「石滝」があらわれる。迷わず左岸を潜り込み巻く。 こころもち右岸より低木や小枝がうるさく嫌なヤブコギである。その後は泳ぎはないにしても何でもありの(進もうとする頭を押さえつけられるような)遡行 となった。コンビニで仕入れたオニギリはどの地点で食べたやら? 雪渓の始めて現われた河原であったかも知れない。そうだ、雪の溶けたあたりに適度なウド の群生を見つけたが、新芽の部分ばかりをカモだかヤギだか鹿だかに食われていやがった。斜面をケッコ−登ったのに畜生。 この辺まだ余裕があった。のだろうか?、それから次第に雨も降りだしてくるし、一時は右岸のゼンマイ道も再度見つかりこのまま急進するかにみえたが、また(ホントに)薮の中となる。 長々続く本流歩きはとかく地図を見ているものの現在地が曖昧になるものだ。第二小屋跡は「まだ半分、いや、もうすぐ」「おかしいなー」・・・私と黒田さ んとで空身でこの先を偵察して来ると、いけども小屋跡らしき地形は分からず、ゴルジュらしきその先を見てひき返した。4名の相談の結果、大きな中州で「ま ずは大丈夫だろう」 ここをテン場とする。幸い薪はいくらでもある(これは何を意味するか?)誰もノコギリがない_それもそうだが、数日(そうとう)前の入渓パーティーのカマドの跡もある、鍋を吊るす2本の棒「使え!楽だ!」と云わんばかりある。 S田_『昨日はかなりの雨だった』。 一同_『そうだ!』。 S田_『と、すれば増水したならこれらの跡は無い筈だ』。 夜中の大増水はもうちょっと後で、考えよう。「タ−プ張りだ、飯だ・酒だ!」もう歩きたく無いのが全員の本音のようです。 この夜、万一に備え靴を頭に揃え、ザイルも用意し眠りについた。 前後の体裁も考えずに、1日目の記録が長くなり過ぎたようだ。 2日目、何を隠そう、今回の釣行はちょっとしたビデオ撮りが有りまして・・テン場は移動せず空身で朝から上流へ向かう、予想に反して雨は降らない釣り日和です。 下田さん斉藤さんは熱心にビデオ撮影。その空きに我々は釣りに集中する。きのう見たゴルジュを避けるのに右岸の踏み跡を辿ると、第2大塚小屋跡を発見!植野稔氏曰く(小屋脇の湧き水はじつに旨く)と、ある。背丈以上の薮の中にその水も発見した。 アルミのタライが流れ出る冷水を受けてちゃんとしてある。山に入って一番の旨い水であった。また植野氏は船着き場からここまでゼンマイ道を3時間で歩き 「今日はまずまずの調子だ・・」と書いている。(あッ、そう!)道はもう少し続いたが、すぐに消え、我々は再び川に下りた。 後から遅れて来た2名も一緒になった。この日は源流FFマン黒田さんの独り舞台で、ひとり気を吐く黒田さんに夕飯のオカズ3本で、お願いして止めてもらった。 その夜、元パン屋の私はおだてに乗り、粉やらイーストをコッヘルでねり、それを発酵させ曲がりなりにもパンにした。(工夫の余地有り、次回御期待!) 最終3日目、朝、下田さんから握り飯など作っていただき10頃テン場をあとにする。 おもに川通しでと思ったが、やっぱり簡単に帰してくれない川だった。 右に上がればどんどん上に、それから10m、3回の懸垂下降。左は薮こぎ。また中央突破の泳ぎ等々・・・。午後、雨が一時強くなり川は、はっきりと増水してきて一同を慌てさせたが、迎えの船の来る30分前に(4時30分)到着した。 *註・・植野氏の釣行記録は昭和52年8月であった。自宅に帰り調べたら唖然とした。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 *ちなみに1995年8月、同じ白戸川で植野さんに偶然御会いした。その事は1996年発 行 白山書房「山釣りシリーズ1」に丁寧に読むと出てくる。(袖沢乗越しのフラ イマン)ただそれだけ...でもあれはこの俺だ(どうでもいいけど)。 |
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記:新発田 悟 |
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![]() 使われていない建物は荒廃を早める |
![]() 抱返り滝を右に見てから後は崖道になる |
![]() 行きの「抱返り滝」の上で |
![]() へつりは軽いが荷物は重い |
![]() ウドがあるにはあったが |
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![]() 源流FFマン K |
![]() 黒田さんの初ヒット「糸が切れそうアー」 |
![]() 釣ったイワナをぶら下げながら |
![]() 小沢を釣りに入った齋藤さん |
![]() テンカラの下田さんとFFの黒田さん |
![]() ゴルジュの中に立ち込みながら |
![]() 夜、明かりに集まる |
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![]() 水に飛び込む前の順番決め |
![]() 途切れ途切れのゼンマイ道 |
![]() 雨が降り出し急いで返る |
![]() 雨、増水気味の石滝 |
![]() 雨の抱返りも増水 |
![]() 帰路・・・・ |
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