'03年秋山郷解禁釣行



全日本暇人協会
'03/03/16(日)
下田香津矢
大沢健治
齋藤健郎(記)
坂本隆彦
原口竜之介
棚辺悟
飯島裕子

'03/03/16(日)

 「きた!」堰堤下のポイントに真っ先に打ち込んだ原口の叫び声だ。いきなり「尺モノ」が顔をだした。足場の高い位置から振り込んでいたのに、一気にゴボウ抜き・・・
のっけからこんな調子だから秋山郷解禁釣行は今年も暇人協会を裏切らない・・・

 解禁日前日、下田会長宅に集合、暇人会員7人は二台の車に分乗し、長野県栄村・秋山郷を目指した。途中高速道路から夜空を眺めると満天の星、風もない・・明日は期待できる・・と誰もが確信していた。

 午前3時過ぎ、現場に到着。駐車スペースのいつもの場所には新潟の名手小林氏らのグループに解禁のご挨拶をした。「今年も解禁日におあいしました ネ・・」暇人会員数名は、小林氏より、氏の「必殺毛針」をい頂く幸運を得た。 午前四時半を回ったところで釣り支度を始めた。新会員・棚部氏・飯島氏が用 意してくれた朝弁当を食べ、準備完了、雪中行軍突撃開始!! 僕はと言えば、初めてのカンジキ釣行・慣れぬ雪だらけのロケーションに四苦八苦・・・上州屋 で売っている安物のプラスティックカンジキなので、思うように機能してくれい・・・もっとも雪上を歩くための日本の伝統的な道具として構造上は問題無いの だが、ブーツを留める「留め具」の調子が悪い。急斜面でカンジキが取れてしまったりすると、その体勢から履き直すのは至難の業・・・河原まで斜面を降りた り、堰堤を高巻いたりするだけで「ハーハーゼーゼー・・〜本当にオレって体力ネーな・・」と我ながらあきれる。歩きづらい雪だらけの河原に悪戦苦闘しなが ら、フっと正面にそびえる「鳥甲山」に目をやると、山の尾根に向かって朝日が差してきた。梺の小さな部落や、人工物には日光が差していないから、誠に美し い光景である。さらに回りの状況をよく観察してみると、解禁日だから当然だが、河原の雪に踏み跡が一つもない、時折り小動物とおぼしき小さな足跡が続いて いる。「これはウサギの足跡だな・・」下田会長が教えてくれた。

 さらに会長の助言、「みんなカンジキを履いて、雪上の河原を歩くときは、立木の回りに気をつけろ」
 
さらに「同じ雪の上に見えても、やや凹んでいる所の下は、川の細かもしれない・・ズボっといくから注意しろ」・・・・と言われている矢先に、会員坂本は木のそばを通過しようとして「ズボッ」とはまってしまい、とっさに木につかまろうとしたが枝が腐っておりおもわず一回転!!!木の回りは熱を持っていて積もった雪が下の方で解けている可能性があるのだ。会長曰く・・「もっとお前ら派手に雪にはまって、身動きとれなくなるとか、斜面をころげおちて雪だらけになるとかしないのかよ・・・おもしろくネ〜な・・」そんなこと言われても・・我々も必死である。慎重に(かなりヘッぴり腰に)雪上を踏みしめていった。

 本流手前の最後の堰堤で、小宴会。持ち込んだ酒・つまみ・弁当を広げて雄大な雪山の景色に囲まれながら、楽しい語らいの一時をすごした。
 釣果の方はといえば、あいかわらず事務局大沢が竿がしら・・昼の12時前に納竿したのだが、その間彼は「尺イワナ(31cm)」を含む8匹、釣りをした 区間はわずか4〜5百メーターだし、半日の釣果だから、たいしたものである。大物賞は、朝イチの、会員原口がゲットした33cmイワナ。暇人釣行初参加の 棚部氏もきっちり天然イワナをゲットすることが出来た。

 帰り支度を整え、温泉・小赤沢の「楽養館」を目指した。途中、下田会長の知り合いの女性クライマーの遠藤清美氏の民宿に立ち寄りご挨拶。ご丁寧に「ドブロク」をいただいた。
 楽養館の温泉は鉄分を多く含んだ赤錆のお湯である。体中・さらには手ぬぐいまで真っ赤っか・・・ややぬる目のお湯だったので、全員、長湯につかり、満足満足・・・温泉上がりには一杯。先ほどいただいた濁酒を囲む。

 僕は「帰りの運転、変わるかもしれない・・」と考えていたので、飲むつもりはなかったのだが、誘惑に負け「ちょっと一杯・・」発酵具合の程良いこの濁酒 に舌包み・・・結局、つい飲み過ぎてしまった。さらに、ロビーにもどり食堂で「きのこそば」と「ビール」を平らげるとすっかりいい気分になってしまった。 日曜日の午後という事もあり、帰りの関越道・上り線は大渋滞。そうとう混んでいたらしい・・・「らしい」というのも、恥ずかしながら、帰りの大渋滞では ズ〜っと「気絶」していたのだ。

 なんの記憶も無い。後から聞けば、高速・赤城ICのあたりからまったく動かない渋滞で、三時半に現場を出発したのに、地元に帰ってきたのは夜九時過ぎ・・・運転手大沢・申し訳ない!!!

 会長宅にもどるとさらに宴会。小林氏からいただいた熊肉ナベ・鹿肉焼きを会長みずからセッティング、事務局大沢が数匹持ち帰ったイワナを手早くさばき、見事な「イワナのお作り」を堪能した。

 密度の濃い一日だ・・・日帰り釣行とは思えない目まぐるしい展開の暇人解禁釣行。
「酒・釣る・酒」と言ったまとめ方が相応しいかもしれない・・遊ぶときはひたすら遊ぶ、仕事や家庭に追われる日常から解放され、たった一日の出来事もいつも「本気」なのである。
 最後に、僕の釣果は?・・と言えば、フライマンというプライドが邪魔をしてか、カメラやビデオ撮影主体の行動であったから・・と言い訳をしてか、イマイ チであった(本当は完全なオ・デ・コ!!)。 いやいや・・カメラのファインダーごしに覗く、春を待ちわびているイワナ・山・川・小さな緑・・・そして春 にうかれ子供の様にはしゃぐ「暇人達」を、僕は見つけに行ったのかもしれない・・・・・


記:齋藤健郎


今シーズン初釣行、一投目で尺上出ました

朝日に映える鳥甲山

尺モン、GETだぜ!

いや〜、良いい型じゃないか

若いのに華をもたせてばかりはいられないよ。オレも釣るよ

下田流釣法奥義、氷雪の構え

堰堤越え。意外と高度感有り。

すっかり晴れ上がり、青空をバックに鳥甲山の威容が

本流から川岸を見上げる

本日の釣果なり

地元の釣り師、滝沢氏

秋山郷に移り住んだ山田(遠藤)清美女史

汗を流した小赤沢温泉。名湯である。

熊鍋だぁ〜(小林氏に熊肉をいただいた)

鹿肉の焼肉。ニンニク風味で、う、旨い・・・

尺岩魚の造り。大沢が腕を振るいました。

これ熊肉ッスか? 旨いッスね。


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